病気について

血圧のお話し

1. 血圧が高いといわれたら

健診で”血圧が高いですね”と言われたらどうしますか?  

おそらく多くの方が “たまたま高いのでは?” と思われるくらでしょうか。  

しかし日本人では年齢と共に誰もが高血圧になってもおかしくありません。下のグラフのように年齢とともに血圧が高い人は増え、男女とも60歳以上では半数以上が高血圧になるといわれています。  

血圧が高いことを指摘された時は 血圧計を購入し家庭で測定してみてください。1日2回、起床時と就寝前に測定します。10日ほど続け、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上あれば高血圧です。医師に相談してください。      

2. 高血圧の意味

収縮縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上を高血圧とする基準にはどのような意味があるのでしょうか。  

私たちより一世代前の人たちの調査により、この基準以上に血圧が高くなると、日本人では特に脳卒中の発症が多くなることがわかっています。(下のグラフ参照)  

脳卒中とは脳出血や脳梗塞など脳にダメージを受ける病気のことをいいます。このため “手足が不自由になる” “言葉がしゃべれなくなる” など障害を残すことから、この基準には高血圧を軽く考えないでほしいというメッセージが含まれています。  

その他にも高血圧が原因となる疾患は、狭心症や心筋梗塞といった心臓病、大動脈瘤や解離性動脈瘤、慢性腎臓病など多くありますが,これらは血圧さえ管理していれば発症を抑えられます。  

日本人で血圧が高い人は4000万人。しかし4人に1人しか治療を受けていないといわれています。 ぜひとも治療を受けてもらいたいものです。      

3. 家庭血圧を測定しましょう

高血圧の方には家庭での血圧測定をすすめています。血圧は常に変動しており、病院を受診した時の血圧では正確に把握することができないからです。  

実際、患者様が家庭血圧を測定されると、毎回測定値が違うことに気づかれます。“朝と夕方では血圧が違う” “1回目は高く出るが、2回目3回目と低くなってくる” “変動が大きくどれが自分の血圧かわからない” などです。血圧は測定した状況や時間帯によって異なり、一見不規則のように変動します。しかし10日ほど測定を続けると、必ず一人ひとりの変動パターンが見えてきます。  

この変動パターンは治療方針を決めるときにとても参考になります。いつ測定しても高ければ降圧剤を増やしますが、朝起きたときだけ血圧が高い場合は、内服を朝から夕方に変更するだけで落ち着いてきます。病院で測定した血圧が高くても、普段の血圧が安定している場合は治療内容を変える必要はありません。このように変動パターンを把握は正確な治療につながります。  

家庭での血圧測定は慣れるまで面倒に思われるかもしれません。しかしご自分の健康管理になりますので、是非とも行ってもらいたいですね。

 家庭血圧測定の実例1

朝の血圧を赤、夜を青で示します。  

朝の血圧も夜の血圧も120〜135 / 60〜80 mmHgと血圧が安定していることがわかります。

 家庭血圧測定の実例2

朝の血圧を赤、夜を黒で示しますが、朝だけが140〜165 / 90〜100 mmHgと高いことがわかります。

このように朝だけ血圧が高くなる高血圧では、病院や検診で指摘されにくく、家庭血圧を測定しなければ血圧が高いことに気付かれません。こういった高血圧を"仮面高血圧"と言います。  

このようなパターンは、高血圧患者の半数を占めるといわれており、決して珍しいもでのはなく注意が必要です。

4. 血圧の治療目標

高血圧患者の降圧目標は2014年ガイドラインに示されています。  

家庭血圧での降圧目標は、診察室での治療目標値より5mmHgほど低く設定されています。これは家庭の方が落ち着いた環境で血圧測定するため,血圧が低く測定されやすいからです。  

また年齢や合併している疾患により治療目標は異なっていることに気づかれるでしょう。そして目標値はがかなり厳しく設定されていることがわかります。  

問題はどうやってここまで血圧を下げるかです。1剤や2剤の降圧剤で安定する場合は問題ありませんが、なかなか下がらず多くの降圧剤を必要とする場合には、血圧が高くなる疾患(2次性高血圧)が隠れていないか調べる必要があります。また各々の降圧剤の特色を理解したうえでの使い分けが必要となります。  

塩分の摂りすぎや運動不足、肥満などがあればこれら生活習慣の改善を同時に指導しなければなりません。降圧剤使用以外の観点からも血圧を下げる方法を考えなければ、薬の数は増えるだけになります。  

高血圧は降圧剤の取り扱いが簡単なことから、どの診療科でも治療してくれます。しかし治療を受けている人の降圧目標達成率は40~50%にすぎないといわれており、十分に治療されているかチェックが必要です。たかが血圧の治療かもしれません。しかし今一度、血圧が正しく治療されているか確認されてはどうでしょうか。  

   

   PAGE TOPへ